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知っておきたいがん予防の話 ~その1~

横浜市立みなと赤十字病院
健診センター長 伊藤美奈子
 健康で明るい毎日を過ごしたい、という願望は世代・国・時代を問わず人類共通のものです。その願いをかなえるために医療・医学は日々進歩していますが、病気の予防に対する個人個人の意識を高めることが最も大切であることは言うまでもありません。皆様の「がん予防」に関する知識向上にお役にたてれば幸いです。
 内閣府が2019年に実施した世論調査によると、「がんはこわい」と答えた人の割合は7割以上でした。「がん」とは、腫瘍の中で悪性のもの、つまり、命に危険が及ぶ可能性がある腫れもの、のことです。だから怖いのです。がんを怖い病気にしないためにご自分でできることがあるはずです。
 がんは1981年から我が国の死因の第1位で、2019年では死亡の27.3%を占めました。4人に1人以上の人ががんで亡くなっています。死亡数の多い部位は男性では1位が肺、2位が胃、3位が大腸、そして膵臓、肝臓と続きます。女性は、大腸、肺、膵臓、胃、乳房の順になっています。
 がんは不治の病、と言われた時代がありましたが、近年のがん医療の進歩により、発見が早ければ完治も可能です。早ければ早いほど治癒率が高くなることはがん統計で証明されています。また、体への負担が少なくてすむ、治療費が安い、入院期間が少ない、というメリットもあります。では早い段階で発見するには何が必要なのでしょう。それは、症状が出る前に定期的な「がん検診」を受けることです。
 検診には3種類あります。自治体が行うもの、企業や職場が行うもの、と任意検診(人間ドックなど)です。日本のがん検診受診率は先進国の中で低い、という現状を改善するために、自治体や企業が費用補助をしたりキャンペーンを行ったり、という工夫が行われています。
 がん検診の検査方法は自治体ごとに多少の違いがありますが、一般的に胃がんはX線検査、大腸がんは便潜血反応検査、肺がんはX線検査と喀痰検査、乳がんはマンモグラフィー、子宮頸がんは細胞診で行います。最近は、胃がん検診に早期発見率の高い内視鏡検査を取り入れたり、肺がん検診に低線量CT検査(被ばく量を減らすため放射線量が少ない分、画質は落ちるがX線よりがん発見率が高い)を採用したり、他の方法で行っている自治体や企業もあります。検査方法は、がん死亡率減少という利益と費用や体・心への負担がかかるという不利益を天秤にかけて、十分に吟味した上で選択しなければなりません。
 今回は、がん検診を中心にお話ししました。次回はがん発症を未然に防ぐ生活習慣についてお話させていただきます。
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