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健康メモ
さぁ、運動しましょう。
健康メモ

さぁ、運動しましょう。

熊本労災病院 循環器科 部長 松村 敏幸

僕の専門分野が、心臓病とか、血管病とかなので、動脈硬化に関する病気を治療することが多いのね。狭心症とか、心筋梗塞とか、動脈瘤とか、脳卒中とか…もろもろ、もろもろ。医者になって、あっという間に二十年くらい経っちゃったんだけど、ここ数年切に実感しているのは、やっぱ健康は「禁煙と運動だよね」ってこと。この二点さえ抑えておけば、動脈硬化の病気に関してはかなり防ぐことができるんだ。逆に、「タバコ大好き。運動大嫌い。」って人の未来は暗い。そりゃ、若いうちはいいよ。タバコを吸ってても息切れはしないし、運動しなくっても階段は上れる。ただねぇ、これがジワジワきいてくるんだよ。60歳を過ぎるくらいから、段々体が壊れてくるんだよね。タバコと運動不足が、ボディ・ブローのようにこたえてくる。ズシーン、ズシーン。そしてガツーンと大きな病気が襲ってくるんだ。ハイ、ノックダウン。そのときに気づいても遅いんだなぁ。いくら医学が進歩しても全身に進行してしまった動脈硬化を直すお薬なんてありゃしない。

じゃあ、栄光なる60歳台に向かって、したたかにやるべきことは何か。

まずは「禁煙」ね。これは必要条件。いくら運動してても、食事を頑張っていても、タバコ吸ってたら全てが台無し。それほど悪いのよ、タバコは。動脈硬化をガンガン進行させるだけでなくって、いろんな癌の原因でもあるんだよ。

今、タバコを吸っている人はすぐに止めたほうがいい。
“You smoke, you die early, you save the government money.”

次に、「運動」。この際運動だったらなんでもいい。ジョギングでも、ウォーキングでも、水泳でも、自転車でも、山登りでも、テニスでも。お気に入りのスポーツをすぐはじめることが肝心。出来るかどうかと悩むことに、残りの人生を費やさないように。そのスポーツが自分に合わなかったら止めればいいでしょ。僕自身の運動人生もテニスから始まったんだけど、これが僕のライフスタイルに合わなくってねえ。テニス・スクールまで入って頑張ったんだけど、一年でやめちゃった。逆にそのあと始めたジョギングには、見事はまっちゃったわけで…。どんなスポーツが自分に合うかはやってみなけりゃわかんない。
“If you want to become the best runner you can be, start now. Don’t spend the rest of your life wondering if you can do it.”

ちなみに、無理して長い時間運動する必要なんてないんだよ。最近まで「30分以上運動しないと脂肪は燃焼しない」って考えられていたんだけど、これってどうも間違っていたみたいなんだよね。僕らは日常生活で体を動かしているんで、いつでも脂肪を燃焼する準備は出来ているんだよ。だから一日10分でもOKなんだ。これなら簡単でしょ。ちょっと早起きして、バス通勤をママチャリ通勤に変えるだけで脂肪は燃え始める。メラメラ。そして週末は足を伸ばして近くの公園までウォーキング。更に脂肪は燃える。メラメラ、メラメラ。これでいいんだよ。3ヶ月もつづけてごらん。痩せ始めるから。体が軽くなるから。体力がついてくるから。持久力がついてきて体がどんどん動くようになってくるぞ。そうなってきたらこっちのもんだよね。それでも運動をする時間がない、なんて言ってちゃ駄目だよ。アフリカ系アメリカ人および女性として初の国家安全保障担当大統領補佐官を務めたコンドリーザ・ライス元国務長官は、週三回筋力トレーニングをして、加えて毎朝40分の有酸素運動を欠かしたことがないそうなんだ。運動するちょっとした時間は工夫さえすれば、つくることができるもんなんだよね。
“It’s never too hot. It’s never too cold. You’re never too tired. You’re never too busy. Put your shoes on and go run!”

ほんのちょっと運動をするだけで、ストレスは解消するし、痩せるし、自信がついてくる。無理する必要なんて全然ないんだよ。自分の好きな運動を、空いた時間に、自分のペースでやるのが肝心。

さあ、今日から運動をはじめましょう。

“賢明に、そしてゆっくりと。速く走るやつは転ぶ。(シェイクスピア)”

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