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健康メモ
ペインクリニックにおける腰痛症、肩こりの治療
健康メモ

ペインクリニックにおける腰痛症、肩こりの治療

NTT東日本関東病院ペインクリニック科 大瀬戸 清茂

腰痛は、国民生活基礎調査によると国民の有する自覚症状として1位、次いで肩こりは2位と非常に多く認められています。

腰痛や肩こりは、一般的に脊骨の病気が主なものですが、そのほかに内臓の病気にもあり注意を要します。

関東病院ペインクリニック科で初来院の患者数が多い病気(07年度)は(1)腰下肢痛(1684人)(2)脛肩上肢痛(425人)(3)帯状疱疹(201人)です。

特に、脊骨は脊髄、神経などを保護し、体を支える要であり、三つの関節(背骨の関節と椎間板)により体の動きを可能にします。しかし、年をとったり、外傷、感染、ガンなどにより、その背骨が変形したり崩れたりして障害を起こします。そのため一概に“腰痛、肩こり”といってもその原因は人によってさまざまです。その治療も人によって少しづつ変化し、オーダーメード治療、すなわち薬、神経ブロック、装具、心理療法など、その人に合った治療が望ましいと考えています。

我々の経験では慢性の痛みも症状を緩和することによって、患者さんの生活の質が保たれる事が多いことを経験しています。一方、急性痛による痛みは、動けないため早期に神経ブロックをすることで痛みを抑え、悪化を防ぐことが必要です。積極的な治療により元の痛みのない状態に戻すことが、生活の質を取り戻す近道だと考えています。

ペインクリニックの腰痛、肩こり治療

高齢者が増えるにつれ、腰痛、肩こりを訴える人も多くなっています。

痛みの刺激が腰や肩の筋肉の痙攣をおこし、さらに交感神経の興奮から血流が悪くなり、痛みの悪循環をつくります。高齢者には骨粗鬆症による圧迫骨折による激しい痛みもあります。これまでの治療は、鎮痛薬をのみ、湿布をして安静にすることにより、痛みが取れるまでには一〜三週間もかかりました。このようなとき、神経ブロック(神経へ局所麻酔薬を注入する)を行うと、筋肉の緊張と血行を改善し、痛みを取り除くことができ、その効果は薬の作用が切れたあとも続き、早期改善が期待できます。

治療は原因があきらかであれば原因の治療を行います。さらに、薬剤、理学療法、神経ブロック(局所麻酔薬の痛む局所(トリガーポイント)への注入、硬膜外ブロック、神経根ブロック、交感神経ブロックなど)などが行われます。また、超音波やレントゲン透視下を用いた神経ブロックは、針先がテレビ画面に見えて、安全に痛む神経にピンポイントの注射ができ、より効果的です。その中に腕神経叢ブロック、神経根ブロック、後枝内側枝高周波熱凝固法などがあり、症状や病気によって使い分けられます。骨粗鬆症による圧迫骨折で、3週間以上長引く激痛の場合には、骨セメントを折れた背骨に注入して骨を固めて治す治療があります。

腰痛、肩こりの愁訴は多く、その原因も多種多様であるため、これらの治療を複合的に組み合わせて治療に当たることが重要だと思います。

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