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健康メモ
医者選び
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医者選び

産業医科大学 第一内科学講座 山岡 邦宏

私は、産業医科大学第一内科でリウマチ・膠原病を専門としている者です。当科の臨床試験でお世話になっているNTTデータグループ、クリニカルサポート社とのご縁で寄稿させていただくこととなりました。私が専門とする分野の多くは厚生労働省の特定疾患に認定されている難病が多いこともあり、どこを受診したら良いかが分からず当科を受診される患者さんが少なくありません。その様な経験から今回の表題を「医者選び」として紙面の許す範囲で私の意見を述べさせて頂きます。

さて、皆様は体に異常を感じたときは近くの病院に行かれると思います。しかし、どの先生、どの病院に受診するのが良いのでしょうか?これは簡単な様で難しい問題で、考えても、インターネットを探してもなかなか答を出せるものではありません。答えは受診(紹介)された先生(方)がお持ちだと私は思います。(方)としたのは必ずしも一人の医者が最良の選択をできる訳ではないということです。患者さんの中には複数の医療機関を紹介(受診)されてもなかなか診断がつかず(たらい回しという表現をされる方もおられますが)一人の先生が膠原病の可能性を考えられたことで当科を紹介頂き、診断、治療に至る方もおられます。しかし、中には前の病院で良くならなかったため主治医に相談なく来院される方も少なからずおられます。そういう方々には必ず主治医に相談する様にお話しています。なぜなら、治療=症状改善とは限らない、無駄な検査をしなくて済むなどいくつかの理由が挙げられますが、一番の理由は困った時こそ主治医の医者としての腕と人間性が発揮される場だからです。一人の医者が提供できる最良の医療は全体からするとわずかなものです。そのため、おのずと我々の仕事の半分、あるいはそれ以上を占めるのは他医への紹介ということになります。その際、的確に病状を捉え、治療内容を表現し、的確な医者や病院に紹介することは非常に重要な仕事であり、医者としての一つの実力でもあります。これを確実に行うには、患者さんがどの程度困っているのかを感じ取る人間味と、医者として医学的重要性を早急に判断することが必要です。つまり、治療に満足できない時こそ、主治医に相談することで医者としての実力に加えて人間性を垣間見るチャンスだということをご理解頂けるかと思います。また、相談することで、皆さんがご想像以上に色々なことを考えているということが分かり、医者-患者関係がより深まることもあります。私は患者さんから感謝の言葉を頂いた時には嬉しく思いますが、紹介していただいた先生への感謝を忘れない様お伝えしています。大学病院ですべての治療が出来る訳ではありませんので、私が主治医となった際にも相談を直接頂くことは大変重要なことと考えています。他医を紹介するという行為は、責任ある医者の行動であり、前述した「たらい回し」とは異なります。

表題に戻りますと、医者選び方は医者が最も得意とするところで、皆様はまず受診することが肝要です。医者選びは医者の実力を測る一つのバロメーターともいえますので、困った時こそ主治医に相談して下さい。それによりどういう先生なのかを知る良いきっかけとなるでしょう。

末筆となりましたが、皆様の今後の健康維持、増進に少しでも参考になれば幸いです。

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