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健康メモ
リンパ節が腫れる病気
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リンパ節が腫れる病気

NTT東日本関東病院 血液内科部長 浦部 晶夫

リンパ節(あるいはリンパ腺ともいいます)は、体のいろいろな所にあって免疫を司る役割をしています。リンパ節とリンパ節の間はリンパ管という細い管でつながっていて、中にはリンパ液が流れています。リンパ節は、首の周り、腋の下、そけい部などにありますが、体の中にもたくさんあります。

リンパ節は体の外から細菌などの異物が侵入した時に、そこで細菌と戦って食い止める役割を果たしています。手に怪我をした時に腋の下のリンパ節が腫れたり、足に怪我をした時にそけい部のリンパ節が腫れたりするのは、リンパ節による生体の防御機構の一つということができます。

リンパ節の中にはリンパ球がたくさん集まっています。

リンパ球は免疫を担当している細胞で、大別するとB細胞とT細胞に分けられます。B細胞は抗体を産生して液性免疫と呼ばれる役割を担当し、T細胞は細胞性免疫と呼ばれる役割を担当しています。

いろいろな病気の場合にリンパ節が腫れることがあります。感染症による場合と悪性腫瘍による場合、その他の原因による場合などがあります。リンパ節の腫れが病気発見の糸口になることも多いので、リンパ節について普段から注意しておくことが重要です。

感染症でリンパ節が腫れる場合は、色々なウイルス疾患で見られますが、代表的なものは伝染性単核球症という病気です。伝染性単核球症は、発熱、首の周りのリンパ節腫脹、肝機能障害などが見られる病気で、EBウイルスというウイルスに感染することによって発症します。血液中に異型リンパ球と呼ばれる特徴的なリンパ球が出現しますので、時々白血病に間違えられることもあります。自然に良くなる良性の疾患ですが、症状が重い場合には短期間の入院が必要になることもあります。

リンパ節が腫れる病気には悪性のものもあります。

最も代表的なものは悪性リンパ腫です。これはリンパ節の癌と考えて良い病気ですが、最近治療法が進歩して治療成績が良くなっています。悪性リンパ腫を診断するためには、リンパ節を小手術で取り出し、病理組織検査で確認します。次に、体中の他の場所のリンパ節にも病気が広がっていないかどうかを、CT検査やシンチグラム検査などをして調べます。悪性リンパ腫は、病理組織検査でいくつかのタイプに分類され、また、体中の広がり方で病期が分けられます。その結果、治療方針が決まります。多くの場合は化学療法といって何種類かの抗癌薬を使う治療が行なわれます。点滴の治療を2〜3週間毎に繰り返すことが多く行なわれます。現在では、副作用を防止する薬が発達していますので、吐き気などもほとんどなく、体に負担のない形で治療が進行します。悪性リンパ腫は早く見つけて早く治療をしたほうが治療成績も良好です。

リンパ節の腫れは癌の転移によっても起きることがあります。

胃癌が鎖骨の上のリンパ節に転移して見つかることもあります。リンパ節の病気は体の表面から触れて腫れが見つかることが多いので、見つけやすいということができます。良性のものも悪性のものもありますから、リンパ節の腫れに気づいたら、まず、病院に受診なさるのがよろしいと思います。

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